飯盛神社で古式に法り小笠原流草鹿式が奉納された。今風に云うと、二手に分かれて弓を引き的を射た得点で勝敗を着ける。鹿を模した的は皮で出来ているらしく、矢が当たっても跳ね返ってしまうこともあるが、色々と決め事が有るようで射手と審判役の奉行の間で交わす遣り取りが面白い。
「的に当たったではないか」
「否、当たってけれど、外矢だから外れだ。」
「何と云われるか。得心が参らぬ。もう一度、検証してください」
「然らば測定しましょう」等と続く…。
的に当てた矢の本数の棒を立てる。
試合が終わり、奉行が帰る。
勝ち組は立って見送り、負け組は跪いての見送りとなる。